オタク・ワンダーランド

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タイツはエロい それは分かる

でもそれをタイツメーカーが言うのはさあ、いけないでしょう。

 

このツイートがキモい、と批判されているのを見て、ほほう?と#ラブタイツ に寄せられたPRイラストを見てみた。

 あ~~~~ストッキングごしの美脚がエロいメガネの知的巨乳上司(たぶん)とランチご一緒したい!!最高!!!!――これがアツギのPRイラストでなければ、手放しにそう喜べていただろう。これがアツギPRだと何がまずいのか。分からない人向けにこの記事を書くことにした。

 

まず大前提として、アツギはタイツのメーカーである。それも恐らく90%くらいの女性が買ったことのある超大手メーカーだ。

また、タイツは女性にとって生足を見られたくない、生足が寒い、といった時に履く日用品である。エロく見られるために履くという女性も中にはいるだろうが、一般的ではない。

そして、アツギが今回打ち出したPR、#ラブタイツ の多くはタイツのエロさを強調したものだった(アツギはそんなつもりありませーんエロいと思う方がエロいんでーす、という言い訳は通用しない。見る人の多くがエロいと思うものを出した時点で、そんなつもりがあったか否かに関わらずアウトである。いじめじゃなくてイジリですが通用しないのと一緒)女性はタイツにエロなど求めていないのに、エロいですよ!と言われても、アツギきっしょ……次は別のメーカーの買おうかな……となるだけである。この点で既にアツギのPRは失敗している。

この「気持ち悪い」という感覚がただの「お気持ち」だと揶揄されそうなので紐解いてみると、「生活に実害が及びかねない」と言い換えることができるだろう。私自身、中高生の頃、タイツ越しに脚~股間を触られる痴漢被害に何度も遭った。「タイツはエロい」という価値観が、知名度の高い企業アカウントで高らかに謳われることで、タイツの女性を狙っての加害が1件も増えないと言い切ることができるだろうか。誰にもそんな保証はできない。この点で、アツギのPRには顧客層への配慮が足りなかったと言わざるを得ない。

※16:00追記

ここで言う「加害」とは、性犯罪には限らない。#ラブタイツ  についてのツイートを見ていたところ、タイツを履いていたらエロいね、男を誘ってるのか、と言われた、という女性の声が散見された。そもそもタイツはエロくなどない、日用品である。それを我々がエロいと感じるのは、タイツをエロく描いた作品を見たことによる刷り込み、という面もあるだろう。そのような作品がイラスト投稿サイトや成年誌などの適切な場所で公開されるならともかく、アツギのPRとして多くの人の目に触れることで、タイツ=エロい と思う人が増えはしないか。そう思うようになった人は、タイツを履いた女性をジロジロ見たり、性的にからかったりしはしないのか。そういったことを私は懸念している。

 

ここで強調しておきたいのは、悪いのはアツギであって仕事を引き受けたイラストレーターではない、ということである。どのイラストも魅力的なのに、公開するTPOをアツギが誤ったせいで受け入れがたいものとなってしまった。アツギのPRを批判している層も、イラストレーターを批判する気は毛頭ないということを理解してほしい。

 

最後に、#ラブタイツ の中で私が素敵だな!と心動かされたイラストを紹介しておきたい。

 かわいくて、エロくなくて、暖かいという商品の特長をPR。こんな風にPRとしてふさわしいイラストが揃っていたら、#ラブタイツ はきっと良い企画になっただろう。#ラブタイツ を打ち出したアツギ、及び擁護している人は、このイラストと他のエロいと言われているイラストの違いが本当に分からないのだろうか。そんな愚かな人が1人もいないことを願うばかりである。