かしら、かしら?ご存知かしら?
資生堂のメイクレッスン、美容に興味のある女性はたいてい知っていそうだが一応そこから説明しておく。
世の中にはメイクを教えてくれるサービスがいろいろある。ドラッグストアのカウンター、デパートのカウンター、専門のサロンエトセトラ。そんな中でも①王道、かつ②頂点(と私は思っている)のが、資生堂銀座店で受けられるメイクレッスンだ。
①王道について。各サービスごとに目指すメイクは様々で、最近だと韓国アイドル風のメイクや、ワンホン(中国のインフルエンサー)風メイクを専門にするサロンも多くなってきた。資生堂のウリは「ゴールデンバランス」で、日本人女性の平均的な顔と自分の顔の乖離を計測し、それを埋めるメイクをしましょうというコンセプト。
②頂点について。まず値段が高い。他のメイクレッスンは無料~1万円台のものが多い中、資生堂は2万円+税。さらに人気のため予約が取りづらく、予約スタート即混雑でサイトにアクセスできず、ようやくアクセスできた頃には予約満了……ということがよくある。
そんな資生堂メイクレッスンは何年も前から人気で、でも値段で怖気づいたり、予約開始を失念したり……でずっと行けずにいた。しかし休職中の今、平日(=土日より競争率が低い)の自由が効くんだからチャンスだ!!とこまめにキャンセル待ちを申し込んでいたところ、晴れてキャンセル出ましたのtellをもらい大喜び。
というわけで感想などレポしてまいります。結論、お値段以上だった!大満足!
当日の流れはこんな感じ。
- ①カウンセリングシート記入
- ②セルフメイクの状態を撮影し、メイクオフ
- ③すっぴんを撮影し、ゴールデンバランスと比較
- ④前項の結果より、メイクでの課題を洗い出す
- ⑤スキンケアののち、メイク
- ⑥レッスン後の状態を撮影。資料をもらって終了
以下、項目ごとに詳しく触れていく。
(特定の項目だけ読みたい場合、目次リンククリックで飛べます)
①カウンセリングシート記入
普段使っているアイテムなど記入。
なりたいイメージの欄には「オシャレになりたい」と記入。これではサッパリ分からんので、後で口頭で補足説明した。
(湿っぽくなる部分は当日言ってないけど)まず私は自分の顔がメチャクチャ嫌いである。親にも友人にもブス呼ばわりされたことがあるし、友達大勢と写真を撮るたび自分だけが圧倒的なブスで辛くなる。ピチピチの大学生だった頃は整形することばかり考えていたし、実際韓国の美容外科で予約を取ったこともあったがコロナの流行でやむなくキャンセル。その後社会人になり、いろいろ忙しくしている内に顔面コンプレックスも鳴りを潜めてきて今に至る。
今でも整形したい意欲はあるが、私くらいのブスになると目をいじった程度では焼け石に水だし、本格大工事に必要な金もダウンタイム(≒手術後の腫れやアザが酷い期間。当然仕事に行けない)も用意できないので諦めモードだ。
ただ「ブス」と「オシャレ」は両立し得るのではないか?と思い至り、最近はそこを目指そうともがいている。例えばマツコ・デラックスのことを「美人」と評する人は多くないだろうが、彼女は垢抜けていてすごくオシャレだ。
現在流行りの「かわいい」は、小さなつるりとしたフェイスラインに、ぱっちり大きな二重の目と、存在感のない鼻が幼いバランスで配置された顔だ。私はそれらのパーツをひとつも持っていない。もちろんそれらに近づけるようなメイク方法はYouTubeにいくらでも転がっているし色々と試してきたが、ジャガイモをイチゴに近づけるように無茶したメイクにはなんというか「頑張ってる感」があり、「オシャレ」は遠ざかる。
そこで、今回私はYouTubeでは分からない、私の持つ素材を活かして可能な範囲で「オシャレ」にしてくれるメイクをお願いした。喩えるなら、素材がジャガイモで、これまで煮っころがしにしていたのをヴィシソワーズにしてほしいって感じ。
私の拙い説明を担当さんは上手いこと汲み取ってくれ、
・目元の涼しげな印象を活かしたい
・パーソナルカラーを外す色をあえて使うと印象的になるので、ネイビーやカーキで遊んでもいいかも
とすごくワクワクしていらっしゃった。
なんだかそれが無性に嬉しかったのを覚えている。きっと美人ばかり来る場所だから、私のようなジャガイモ顔のブスが来たらやる気消滅させてしまうかも……と内心ビビっていたのかもしれない。
他にも汗だく到着即冷えたおしぼりをもらえたり、メイク素敵!お肌が綺麗!と褒めてもらったり、メイクしながら飲めるようペットボトルwithストローが用意されていたりと終始姫気分を味わうことができた。オーッホッホ。
②セルフメイクの状態を撮影し、メイクオフ
確かTHE GINZAという資生堂最高峰ラインのクレンジングを使ってもらった(その後の保湿だったかも……)。
THE GINZAのパンフが置いてあったのでチラ見したところ22万円のクリームがあって我が目を疑った。私の家賃数か月分だ。これを使える人の生活に思いを馳せた。
③すっぴんを撮影し、ゴールデンバランスと比較
撮影すると自動で眉尻、目尻……等の要所にプロットが打たれ、それを基に眉毛の位置はXXでゴールデンバランスと比べてXXで……といった結果が出る仕組み。
こういうシステム開発や、膨大な顔写真データの解析はまとまった額の投資が必要だろうから資生堂ならではだな~と思った。
④前項の結果より、メイクでの課題を洗い出す
ここからは画像がないと話にならないので、イメージ画像を……描きました。自分ではスゲェ似ててゾッとするけど友達曰く「実物はもっとかわいい」とのことなので参考程度に見てもらいたい。実物はもっとかわいいので。

ゴールデンバランスと比較した結果、私の顔の特徴(ゴールデンバランスから大きく外れている部分)は2つだった。
・顔が短い→意外だった!面長だと思っていたが、パーツが中心に寄っているからそう感じるだけで、目の位置自体は平均より低いらしい。
・目と眉の間隔が広い→ハイ。存じ上げておりますトホホ
よって、余白をどうコントロールするか?がメイクでの課題になるとのこと。
またこの後のメイクで、手持ちのアイテムや好きなメイクから「この色を使って」などとこちらから要求する方式か、担当さんから「この色が素敵」などと提案する方式か、どちらが良いか聞かれた。私はヴィシソワーズになりに来たので迷わず後者でお願いしたが、「でもその色は無理!などあれば遠慮なくおっしゃってくださいね」とのことだった。とはいえパーソナルカラー(1st夏・2nd冬)を伝えていたこともあり「それだけは勘弁してください」みたいなことは一度もなかった。
ちなみに普段のメイクでも余白感を埋めるべくいろいろと奮闘している(下図参照)。

⑤スキンケアののち、メイク
メイクは原則、片方をやってもらい、もう片方を自分で真似るスタイル。この真似るターンが意外と「こ、こうですかァ……!?!?」と緊張したが、違う時はちゃんと改善点を教えてもらえ、しっかり技術を持ち帰ることができてよかった。
以下、リンクになっているのは使用した商品・その次に付記しているのは使用カラー。
ベースメイク
・日焼け止め
パーフェクト サン プロテクター ハイドロ ジェルクリーム|日焼け止め ・ UV|SHISEIDO サンケア|資生堂オンラインストア
私が2層タイプのものが苦手と言ったので、軽いジェルタイプのものにしてもらえた。いわゆる「男塗り」(IKKO発祥の、クリーム類をガーッと手のひらに広げてから顔にオンする方法)をするよう言われたのが驚きだった。ものぐさだから普段からそうしてたけど、許されるんだ……。均一について良いらしい。
・コントロールカラー
ドラマティックスキンセンサーベース NEO|化粧下地|マキアージュ|資生堂オンラインストア ラベンダー
顔の赤みが目立つ方なので、赤みを相殺と言えば緑かな?と思いきや紫を勧められた。普段コントロールカラーと言えば顔全体にザーっと塗って、はて……なんか変わったか……?となっていたが、赤みのあるところにちょこちょこ塗るべしとのこと。確かにこれだけで全体が均一でつるりと見えて驚き。
この際手元の鏡ではなく遠くの鏡を見れば、全体的に見てどこに赤みが目立つのか分かると言われた。高校の美術部時代、よく顧問に「目を細めてデッサンの対象物を見ると、余計なディティールがぼやけて明暗だけを把握できる」と言われていたのでアレと同じだ!とちょっと興奮した。
ここで眉間~鼻根のゾーンを明るくするよう指示され、はて?と思ったが後でビフォアフを見ると威力が分かった(ビフォアフ画もあるのでお楽しみに)。
・ファンデーション
タンクッションエクラ ナチュレル (レフィル)|ファンデーション|クレ・ド・ポー ボーテ|資生堂オンラインストア オークル10
これも全顔に使わず、目元のシミがあるゾーンなどにポイントで使用。ごく少量しか使ってないのにしっかりカバーされていて凄い……。今まで自分が粗雑なベースメイクをしてきたことを知った。
・コンシーラー
ファンデーション MC n (ベーシックカラー)|ファンデーション|パーフェクトカバー|資生堂オンラインストア N00
ニキビ跡など気になる部分にちょこっとだけ。よく「隠したいものより少し広範囲にコンシーラーを付け、周りをぼかしてなじませる」とは言うものの、いつもなじませる段階で全て消失し、何も隠れていないが……?となる旨相談したところ、ブラシの持ち方を変えるよう教えてもらえた。これまでブラシを筆先近くで持っていたがそれだと力が入りやすくなってしまうそうで、もっと遠くを持ってごく優しいタッチでトントンせよとのこと。実際やってみたら、コンシーラー消失せず!嬉しい学び。
・パウダー
ブライトニング スキンケアパウダー|その他|SHISEIDO ベネフィアンス|資生堂オンラインストア
これは全体に。頬はツヤ感を残すためごく少量。
フェイスカラー
ここが今回一番の収穫だったかもしれない。ビフォアフをお楽しみに(2回目)。
・チーク
ブラッシュデュオプードル (レフィル)|チーク|クレ・ド・ポー ボーテ|資生堂オンラインストア 101
普段よりクールな、ベージュに近いピンクをセレクトしてもらった。これは入れ方が衝撃だった!普段は面長を緩和するため「顔を横断するよう真横に横長に入れる」という戦略を採っていたのが、今回は「目尻のあたりから、フェイスラインと並行に斜めに入れる」のを教えてもらった。確かにそっちの方がずっと余白感が緩和され、小顔になった。
・ハイライト
ハイライター|フェイスカラー|インウイ|資生堂オンラインストア 01プラチナ
普段はなんとなくCゾーンに入れていたが、チークの上部に被せるように斜めに入れてもらった。これも余白感緩和に貢献。
・シェーディング
シンクロスキン セルフリフレッシング カスタムフィニッシュ パウダーファンデーション (レフィル)|ファンデーション|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア 160
現在資生堂ではシェーディングの取扱いがないらしく(調べてみたら、本当にマジョマジョにもインテグレートにもなかった)(担当さん曰く、最近のファンデは優秀でのっぺりしないからシェーディングの存在意義が薄れているのかも?とのこと)パウダーファンデの濃いカラーで代用。
普段はとにかく余白を埋めようとこめかみ~エラ~あご先と顔の下半分を囲うように入れていたが、今回は耳たぶの下付け根・エラ・あご先を結ぶ三角形で入れるように言われた。そうするとチークとの間に隙間ができ、リフトアップ効果ありとのこと!
眉毛
・リキッド
アイブロウリキッド|アイブロウ|インウイ|資生堂オンラインストア 01アッシュグレー
アートメイクをしているので、欠けているところを埋めるようにちょこちょこ。大学時代、歩きながら寝てしまって壁にぶつかって流血し、その部分はアートメイクが定着しなかったのだ……。
・パウダー
アイブロウパレット|アイブロウ|インウイ|資生堂オンラインストア 01アッシュグレー
眉の"真ん中"を濃くするようにちょこちょこ。一般に眉尻を濃くするようにと言うけれど、真ん中を濃くすることで立体感が出るらしい。
・眉マスカラ
ブロウ マスカラインク|アイブロウ|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア 01 Warm Brown
全体に。
唇
・ライナー
リップライナーインクデュオ|リップライナー|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア 01
自前の唇は輪郭がややボケているので、輪郭をはっきりさせるようにライナーで囲みましょうとのこと(形はそのままでOK)。普段リップ直塗りでパワー解決してたけど塗りにくいと思ってたんだよな~~。後日ライナー買いました。
・リップ
ルージュアレーブル|口紅 ・ リップグロス|クレ・ド・ポー ボーテ|資生堂オンラインストア 11
チークと同様、普段よりクールなベージュっぽい色に。これかわいかった~。普通にブラシで全体にオン。
目もと
・アイシャドウ1
ポップ パウダージェル アイシャドウ|アイシャドウ|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア 04 Sube-Sube Beige
これフェイスカラーに並ぶ大収穫。私の顔の課題の1つである「目と眉の間隔が広い」を緩和するため、まぶた全体にシェーディングカラーを乗せましょうと提案された。「そんなことして良かったんだ」という気持ちになった。だってシェーディングと言えばフェイスラインや鼻に使うもので……目にも、それどころかまぶた全体に入れて……ダメという法はもちろんないけども!!盲点だった。これが大変効果絶大で、先日実践して友達に会ったら「今日アイプチしてる?」と言われた(してない)。目と眉の間隔が広い皆様、ぜひお試しあれ。
・アイライナー
ドラマティックエッセンスライナー (カートリッジ)|アイライナー|マキアージュ|資生堂オンラインストア BK999
次に乗せるネイビーのアイシャドウの発色が良くなるとのことで、わずかな二重幅全体にがっつりざっくり塗った。
・アイシャドウ2
ポップ パウダージェル アイシャドウ|アイシャドウ|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア 17 Zaa-Zaa Navy
「素材を活かすメイク」が今回の依頼だったので、すっきりした目元を活かすネイビーを提案された。目を開けた時1~2mm見えるようかなり広範囲にグラデーション。アイシャドウと言えばベージュかピンクかの面白みのない人生を送ってきたので、こんな鮮やかな青初めて……バブルにならない??とドキドキだったが、仕上がりが確かにすっきりカッコよくて素晴らしかった!
・マスカラ
マスカラベース インク|マスカラ|SHISEIDO メーキャップ|資生堂オンラインストア
ベースだけどこれ単体で済ませても良いもの。ネイビーカラー。
⑥レッスン後の状態を撮影。資料をもらって終了
セルフメイクとレッスン後の比較はこんな感じ!

イメージ画だと再現しきれていないが、友達に「資生堂の人が画像加工したのでは」と言われるくらい小顔になっていた……。資生堂の人はそんなズルしないよ。まさかここまで変化がはっきり分かるとは思っていなかったので嬉しい驚き。
比較してみると、
・眉間の影をコントロールカラーで払拭したこと
・チーク、シェーディングの入れ方を変えたこと
・まぶた全体にシェーディングを入れたこと
が余白感の緩和、ひいてはキュっとした小顔見えに大きく寄与した印象だ。
また顔の赤みをしっかりカバーしたこと・クールトーンのアイテムを多く使ったことでビフォーのぽてっとした、良く言えば親しみやすい・悪く言えば芋臭い印象もシュッとさせてもらえた。
分かりやすいようにGIFも作ってみた。

更にアイシャドウのネイビーで目元の印象がキリっと強くなったことも相まって、当初依頼した「オシャレになりたい」は見事に叶えてもらえた。
終わりに
鬼のキャンセル待ち申込をした甲斐あって、大満足なレッスンだった。
また帰り際、担当さんに「明日からのメイク、楽しんでください」と送り出されたのがなんだか胸に迫った。レッスンの中で「本当にお詳しいんですね!メイクお好きなんですね?」「いや、別に好きとかでは……」という会話をして私が口ごもっていたのを覚えてくれていたのかもしれない。
私はメイクが好きなわけではない。自分の醜さを少しでもごまかして、何とか社会にいて疎外されない程度の容姿を得る手段、と思っている部分が大きい。でもレッスンを通じてメイクでこれだけ変われるのだと知って、少しだけメイクを好きになれた気がする。
余談
以前資生堂の大人気美容液・アルティミューンを買った履歴が残っていたようで、担当さんにその後どうですか?と聞かれた。
私は良くも悪くも肌が強く、何を使っても荒れないし何を使っても良くならない。そんな中一縷の望みを持ってアルティミューンを買ったが……やはり変化なし!と正直に答えたところ、資生堂の提供しているDNA検査をおすすめされた。
曰く、唾液からDNAを検査して、肌の特性や必要な栄養素を特定し、結果に応じてパーソナライズされたスキンケアや食生活を提案してもらえるとのこと。(詳しくは Beauty DNA Program by SHISEIDO - 資生堂 参照)
さっそく申し込んで検体を提出したので、あと3週間くらいで結果が分かるらしい。こちらも後日記事にするつもり。